Mr.Children 『EVERYTHING』レビュー
Mr.Children 『EVERYTHING』
データ
1992年5月10日発売
最高25位
累計売上451,440枚
登場83週
作品概要
Mr.Childrenの記念すべきメジャーデビュー作品。「ミニアルバム」と「フルアルバム」は区別されることが多いがMr.Childrenは公式にミニアルバムである本作を1stアルバムと位置付けている。
1991年の後半に音楽プロデューサー・小林武史と初対面し、同年12月からサウンドスカイ・スタジオとスターシップ・スタジオにてレコーディングを開始。タイトル「EVERYTHING」は何より大切なものといった意味で、「本作を聞いた人の大切な1枚になって欲しい」という桜井の想いが込められている。
全曲アマチュア時代からのライブレパートリーで、本作へ収録するにあたり小林がストリングスなどのアレンジを加えた他アドバイスによって桜井は歌詞を一部変更した。また、予算の関係か本作は生のストリングスが一切使われていない。当時は無名だったこともあり最高順位は25位とあまり高くなかったが、ブレイク後に売り上げを大きく伸ばし最終的に40万枚以上の売上を記録している。
収録曲
①ロード・アイ・ミス・ユー
②Mr. Shining Moon
④風~The wind knows how I feel~
⑤ためいきの日曜日
⑥友達のままで
⑦CHILDREN’S WORLD
※③後に1st シングルとシングルカット
総評
Mr.Childrenの歴史の始まりを告げるデビュー作である。と言っても、「ファースト・アルバムにして名盤」といった趣とは程遠く、初めてミスチルを聴くリスナーには本作から手を出すことはあまりおススメしない。ちなみに、後の大ヒットソング『Everything(It's you)』とタイトルを混同しがちだが、大文字表記の場合が今作、と覚えておくと良いかも。
一般的に知名度のある収録曲は後にシングル・カットされベスト盤にも収録された③以外は少なく、彼らのライブでも演奏される機会はほとんどない。2015年のスタジアム・ツアー『Mr.Children Stadium Tour 2015 未完』で⑦が披露された際はファンの間で大きな話題となった程だ。
ただ、決してクオリティが低いなんてことは決してなく、恋の終わりを切なく憐れむ①、胸の詰まるような片想いを歌う②⑤、バンド名の通り少年の心を描いたような爽やかなポップソング④⑦など、しっかりと聴けば聴くほど良曲揃いだと気づかされる作品集。
評価