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Mr.Children 『Versus』レビュー

Mr.Children 『Versus』

Versus

データ

1993年9月1日発売

累計売上802,140枚

登場105週

 

作品概要

 前作『Kind of Love』から約9ヶ月ぶりのアルバム。

アルバムタイトルは、前作の流れを継ぐポップな曲と、セッション主体で作られたバンドサウンドの曲が対(Versus)になるように約半分ずつ収録されていることに由来する。また、バンドとして初めのニューヨークのウォーター・フロント・スタジオでもレコーディングが行われた。オリコンチャートでは初登場3位で自身初のトップ3入りを果たし、累計売上は約80万枚を記録するスマッシュヒットを記録。

初回限定盤はクリアスリーブにCDケースと大型歌詞カードが収められており、上部に「LIMITED EDITION SEE THROUGH DUST COVER」と書かれている。写真はスリーブに印刷され、下のディスクが透けて見える仕様となっている。

 

収録曲

①Another Mind

②メインストリートに行こう

③and i close to you

Replay

⑤マーマレッド・キッス

⑥蜃気楼

⑦逃亡者

⑧LOVE

⑨さよならは夢の中へ

⑩my life

※④3rdングル

 

総評

 2ndアルバム『Kind of Love』がやや桜井のソロアルバム寄りの作りになってしまったことを反省してか、ポップな曲とバンド色の強い曲を半分ずつ収めた3rdアルバム。タイトルには、「暗」な曲が奇数、「明」な曲が偶数に収録されていることにも由来しているという。

TVCMソングにもタイアップされたキャッチーなサビが印象的な3rdシングル④やベストアルバムにも収録されファン人気も高い⑧⑩を除くと、やや地味な楽曲が並ぶためどうしてもアルバムとしての存在感は薄いのが正直な感想。それでも、これまでの歌詞には見られなかった内省的なリリックが強烈な①などには、既に『深海』の桜井が垣間見れる点は見逃せない。

このアルバム後にリリースされる自身初のミリオンヒット作『CROSS ROAD』を境に国民的スターダムへとのし上がっていくミスチルであるが、今作は言わば「蝶になり羽ばたく前のサナギ」状態のバンドを映し出した立ち位置の作品である。

 

評価

★★★★★★☆☆☆☆(6点/10点中)